今回は、「永代供養」について考えてみたいと思います。
皆様は、「永代供養」とお聞きして、どのようなことを思い出されますか。ずっと御骨を預かってくれる・・・というイメージがあるでしょうか。
永代供養とは
まず「永代供養」とは、大まかに言って霊園や寺院、神社などに親族に代わって供養・管理してもらう方法のことです。そもそも「永代供養」で預かっていただけるのは、御骨だけなのでしょうか?
他にも仏式なら御位牌や過去帳、神式なら霊璽(れいじ)を預かっていただける場合があります。
ちなみに「永代」とは、永久や永遠、未来永劫といった意味ではなく、実際には、その霊園がなくなるまで、そのお寺が廃寺になるまでは・・・といった意味合いの方が近いです。
また、「永代供養」ということは、この先ずっと・・・というのが基本的なところですが、なかには一定の期間を定めて、その後合祀されるというものもあります。
■永代供養をお願いするケース
① 仏式での御位牌や過去帳、神式の先祖宮などのご先祖様
② 御骨
③ ①と②の両方
以上の3点が考えられます。
そして・・・
●御位牌は自分でお祀りしていけるけど、御骨はお墓もないしこれから建てるのも大変なので
御骨を預かってもらいたい。
●お墓は既にあって御骨は自分でお祀りしていけるけど、仏壇などはないので御位牌を預かっ
てもらいたい。
●仏壇もなく今後購入予定もなし、お墓もなく今後建てる予定もないので、両方とも預かって
もらいたい。
このように考えている方々が「永代供養」をご検討されるのではないかと思います。
しかし、まずは「永代供養」をお願いする前にしなければならないことがあります。
当事者だけではなく家族と話し合う
それは、承継者含めご家族の皆さんと一度話し合いをすることです。
例えば、既にお墓はあるけど、子供に迷惑を掛けたくないとの理由でお墓を引き払って(俗にいう墓じまい)「永代供養」をお考えになる方がいます。県外在住のご子息やご息女がいる方なら尚更のようです。
そして、そのご家族の皆様との話し合いをすることなく当事者本人が一人で物事を進めてしまう場合もあります。
しかし、いざご子息やご息女たちに話をしてみると、意外とお墓参りの度に帰ってくるつもりなので今後も自分が世話をしていきたい、それを楽しみに実家へ帰ってきている、などといったお話しもよくお聞きします。
場合によっては、なんでお寺に預けたの?どうしてお墓を勝手に引き払ったの?といったお声を聞くケースもあります。
こういったケースにならないように、まずはご家族の皆様で話し合いをすることが非常に大事になってきます。
この「永代供養」というものは、自分一人でできることではありません。
承継者が誰もいない、今あるお墓は自分が守っていける、今あるお墓は山奥にあるからもっと自宅の近くに引っ越しをしたい、もっとコンパクトなお墓にしたい、今お世話になっている寺院や神社に預けたい、など色々な意見が出てくると思います。
こういった意見を皆様で共有しながら考えていただきたいと思います。
次回は、新しい「永代供養」の流れの一つとして、樹木葬の説明をしたいと思います。