今回は、会食・・・食事について考えてみたいと思います。
冠婚葬祭では、食事が非常に大事なものと位置付けされております。特に、高知では郷土料理でもある大皿料理の「皿鉢(さわち)」という文化があり、葬儀でもその食事を振る舞うケースが多くあります。
最近はコロナ禍ということもあって、高知市内は料理の振舞いも減ってきてはおりますが、高知市内を離れると今まで通り料理を振る舞っているところもあるようです。今回は、その料理について考えてみたいと思います。
料理を振る舞うタイミングは?
葬儀では料理を振る舞うケースが2つあり、通夜が終わってからの「通夜振る舞い」と葬儀・告別式が終わってからの「精進落とし」があります。「精進落とし」には他に、「精進上げ」や「精進落ち」、「お斎(おとき)」、神式で葬儀を執り行った時は「直会(なおらい)」という言い方をしたりすることもあります。
どうして料理を振る舞うのか?
本来、忌中の間は俗に言う魚や肉などの「なまぐさもの」を控えて過ごし、四十九日の期間(中陰)が終わる際に区切りをつけて日常生活に戻る為に「なまぐさもの」が出されました。このことを「精進落とし」と言われていました。本来「精進落とし」とは、四十九日法要後の飲食の席のことを言いました。
また、葬儀後に手伝ってくれた人や葬儀に足を運んで頂いた方々やご親族に御礼をするために食事を振る舞います。今ではこちらの意味合いの方が強いかと思われます。
亡くなった人と飲食をする?
葬儀では、お亡くなりになった人と今までと同じようにやっていたことを一緒にする・・・という行為が重要な意味を持ちます。例えば、一緒に寝る、時間を過ごす、陰膳(ご飯をお供えする)、そして一緒に飲食を共にするなどです。その食事についても全国様々で、これで死者とお別れの区切りをつける「ワカレメシ」や、出棺前に飲食をして力をつける「チカラメシ」などと呼ばれるものあるようです。
料理の内容は?
高知では「皿鉢」の文化があり、主に皿鉢料理が振る舞われますが、最近は重ね折りなどのお弁当タイプも多くなってきました。葬儀や四十九日、一周忌などの法要後に振る舞うお料理は、この皿鉢やお弁当でないといけないことは全くありません。最近はレストランなどでお食事をするケースも多くなってきております。また、故人は焼肉が好きだったので焼肉店に行ったり、中華が好きだったので中華料理店に足を運んだり・・・と、様々なケースがあります。お料理を振る舞うということは、故人を偲んだり、感謝の気持ちを伝えたりする場でもありますので、こういうパターンも今の時代は全く問題ないのではないかと思います。
また、最近は大勢で集まって飲食を控えたいという方や、お料理を振る舞う人数が全く把握できないので困るという方には、料理に代わるお取り寄せギフトの商品なども出てきております。受け取った方は、各自で好きなものをお取り寄せができるという物で、今はこのような方法で代用も可能です。当社でも対応しております。
以上のように、食事には「感謝の気持ち」というものが込められています。その食事には、故人についてのお話しや思い出話がたくさん出てきます。また、久し振りにお会いしたご親族の方々とのお話しも花が咲くことでしょう。
もう一度、葬儀に関する食事というものを見直す機会があってもよろしいかと思います。