今回は、「家族葬」について考えてみたいと思います。皆さんは、「家族葬」というものにどういったイメージをお持ちでしょうか?人数が少ない葬儀、少額であげられる葬儀などでしょうか。「家族葬」という言葉は耳にすることが多くなってきましたが、実は「家族葬」の定義というものはあってないようなものです。人によって捉え方も違います。
今回は、家族葬のポイントや事前に決めておくと良いようなことを高知の現状を踏まえて考えてみたいと思います。
「家族葬」と呼ばれる葬儀のポイント
はっきりとした定義はないものの、ポイントとしては
従来の『不特定多数の方に訃報を知っていただいて参列していただきたい葬儀』ではなく
『訃報の連絡範囲を最小限にとどめ、親しい方、近しい方だけ参列していただきたい葬儀』
という希望が基本ベースとなります。
●高知新聞に訃報告知を掲載しない
高知で「家族葬」を希望される方は、高知新聞の訃報告知への掲載は控えましょう。訃報告知を掲載するという事は公に訃報を告知し、不特定多数の方が目にして参列する状況が起きるようになってしまうため、親しい者で葬儀をおこないたいという希望と矛盾してしまう事になるからです。
●現役を退いて時間が経っている
故人となる方が高齢で、遺族も仕事を退職されて長く経っており、外部とのお付き合いがほとんどなくなっている場合、葬儀に参列される方は限られます。
例えば故人が90歳近くの場合、ご友人や現役時代の方々もほとんどお亡くなりになっているケースが多く、自然と家族葬と呼ばれる内容の葬儀が執り行われます。
●遺族・親族のみで葬儀を行うという強い希望がある
故人の遺志やご家族の皆様が、家族のみで葬儀を行いたいという強い希望がある場合は、友人知人など会葬者への対応をしっかりと決めておかなければならないでしょう。
例えば、香典は辞退する、会葬頂いても焼香のみ、電話での問い合わせがあった場合は会葬を遠慮して頂くなどです。きちんとした対応を決めておかないと、会葬者が多くなってそちらの対応で大変だった…となってしまうケースもあります。
●改めてお別れ会などを企画している
日を改めて一般会葬者向けのお別れ会を予定している場合は、まずは家族でゆっくりと葬儀を済ませます。会社に多大な貢献をされた方(社長など)の葬儀や芸能人でよくあるケースです。
ちなみに昔はこの、一度家族で葬儀を済ませ…の部分を「密葬」、後日一般向けにする葬儀やお別れ会のことを「本葬」と言っておりました。今はこの「密葬」という言葉は、「誰にも知らせずに家族のみでひっそりと行う葬儀」という意味合いに変わってきております。
実際の「家族葬」はどうなのか?
ご承知のように、「家族葬」は非常に多くなってきております。葬儀をご依頼頂いて最初のお話しをさせて頂く段階では、「家族だけで葬儀を執り行いたいです」と、ご相談を受けるケースが非常に多いです。
しかし、いざ終わってみればご家族の他に親しいご友人、近所の方が少し、会社関係の方が代表で1人だけで会葬に来られるといったことが多く、意外と本当に家族のみで終わるケースは少ないです。
ご家族の皆様と一緒で、最後にお別れしたい方々も多いのです。訃報を聞いて、一目でいいから故人に会いたい…そういう方々の会葬は断ることなくご案内することも多いです。
いくつか例を挙げさせていただきましたが、冒頭に紹介したように家族葬には決まった形式がないため、ご家族でどのような葬儀にされたいかを決めていく必要があります。まずはご紹介したポイントの中で『高知市で家族葬を考える場合は新聞掲載をしない』、これは間違いないのではないでしょうか。そこから考えて頂ければと思います。
次回は、家族葬の際に決めておくべきことについて考えてみたいと思います。