葬儀を執り行うにあたって悩ましい問題のひとつに、「遺影写真」の作成があります。遺影写真は葬儀の間は祭壇に飾り、火葬場では火葬炉の前、葬儀終了後のご自宅では後飾り壇などにお骨壺と共に飾るようになります。元になる遺影写真の原本は、一体どういったものを選ぶとよいのでしょうか。今回は、遺影写真について考えてみたいと思います。
遺影写真はどのようなの大きさになるのか
まず、遺影写真はどのような大きさのものになるのでしょうか。一般的に多いタイプは、「四つ切写真」と「キャビネサイズ」のお写真となります。
四つ切写真は、よく家の鴨居に斜めに立て掛けている写真をご覧になったことがあるかと思いますが、あの写真です。おおよそ縦が43cm、横が34cm程度のものです。キャビネサイズのお写真は、よく仏壇の中に立て掛けているサイズのお写真です。おおよそ縦が20cm、横が15cm程度のものとなります。
映りのキレイな遺影写真を作るには
遺影写真を作るにあたっては、できるだけ大きくてハッキリしているものを選びましょう。お正月にご自宅前で撮った写真、皆で旅行に行った時の写真、介護施設で職員さんが撮ってくれた写真・・・など。そしてもちろん、ピンボケしていないものを選びます。
免許証や障害者手帳、パスポートや卒業写真などのような集合写真から抜き取って作ることもできますが、小さいものを拡大することになりますので、遺影写真の出来栄えがぼやけた感じになることもありますので注意しましょう。
また、最近はデジタルカメラやスマートフォンで記録した写真のデータを使用して遺影写真を作ることもできます。スマートフォンのカメラ機能も年々上がってきておりますので、スマートフォンに記録されている写真データを使うことも多くなってきました。画面に映った画像をピンチアウト(画面に指をあてて2本の指をつまむようにして間隔を広げる)して拡大された画像がぼやけたような感じでなければキレイに作ることができます。
遺影写真の作成に使う写真は最近のものでないとダメ?
遺影写真を作るにあたって、故人の最近のものでないとダメと言う方がたまにおりますが、まったくそんなことはございません。お亡くなりになった年齢にもよりますが、10年前くらいのお写真でも大丈夫かと思います。葬儀が終わっても写真は、今後ご自宅でずっとお飾りしていくことになります。過去には、ピースサインをしている、読書をされている時の横顔、還暦祝いのちゃんちゃんこを羽織っている姿・・・などございました。その方の一番お元気で故人様らしいお写真を選んであげましょう。
着せ替え加工などはできるのか?
遺影写真を作るにあたって、もちろん着せ替えなどの加工もできます。お顔を残して、スーツや礼服、着物、ジャケットやシャツ、カジュアルな普段着など、男女問わず様々な衣装をお選び頂くことができます。実際には葬儀を執り行うことになって、そこでサンプルをご覧になってお決めになる方々が多いですが、前もって葬儀をお願いする葬儀社にお聞きしてみるのもよろしいかと思います。
遺影写真は絶対に作らないといけないのか?
結論から言いまして、遺影写真は絶対に作らないといけないものではありません。遺影写真がなくても葬儀は執り行うことはできます。しかしながら、葬儀場に足を運んで皆さんがまず目にするものが故人様の面影=遺影写真というのも事実です。
実は、葬儀を執り行うにあたって困ることの一つが遺影写真の作成ですが、同時に処分するものに困るものの一つとしても、この遺影写真があげられます。最近は、叔父様や叔母様の葬儀を普段ほとんどお会いすることのなかった甥子様や姪子様が執り行うなど、親族でもだいぶ離れた関係の方が葬儀を執り行うことも増えてきました。お亡くなりになった故人が大切ではないという訳ではないけど、正直自宅に写真を持って帰って飾ることまでは・・・とおっしゃる方もいらっしゃいます。このような方々には、持ち帰る写真はないですが葬儀の時だけ写真を作るというようなご提案をさせて頂いております。当社もそういった対応が可能です。
以上、一般的な遺影写真についてのことを述べさせて頂きました。
遺影写真の原本に関しては、作って頂く葬儀社やカメラ店によっても対応可能な時もありますので、前もってお聞きしてみることをお勧め致します。
また、ご不明な点等ございましたらいつでも当社にご連絡下さいませ。