今回は、六曜の中のひとつ「友引」と葬儀の関係について考えてみたいと思います。
六曜を簡単に説明しますと、その日にやってはいけないこと、行ってはいけないことの指標の一つであり、その中にこの「友引」があります。特にこの「友引」は、葬儀を執り行うことに関しては避ける日であるとされます。友人や知り合いを引き込んでしまう・・・と考えられているからです。 実際にはどうなのでしょうか。高知の葬儀事情について考えてみたいと思います。
友引は葬儀ができない?
正確には、友引は火葬場が閉まっている・・・ということです。葬儀ができないというわけではありませんが、通常は葬儀と出棺を一緒に行うことがほとんどです。葬儀を行っても火葬場が開いてないので出棺できないため、実際は友引の日には葬儀をしません。ですから実際は、友引の日を避けて葬儀の日程を考えます。
尚、県外では公営の火葬場の他に私営の火葬場もあります。そういった火葬場では友引でも火葬をしているところがあるようです。高知市に関しては、公営の火葬場しかございませんので、友引の日はお休み(火葬できない)となります。
友引は通夜もできないのか?
高知市内で葬儀を執り行う方々は、通夜に関しては友引でも執り行うことが多いようです。宗教者の方々も友引に通夜を行うことに関しては大丈夫のようです。しかし、高知市から離れていくほど葬儀と同様に、通夜も友引に行うことを避けるようです。「友引に通夜を行ったら成仏しないぞ!」と考える宗教者の方もいらっしゃるようです。故人をお棺に納める(納棺)さえ行わない地域もあります。とにかく何もしないことを基準に考える地域もあります。また、高知市内在住の方でも友引に通夜を執り行うことを嫌がる方もいらっしゃいますので、そこは皆様のご意向をお聞きしながら通夜・葬儀の日程を決めていきます。
友引は法要もできないのか?
仏式での四十九日法要や神式での五十日祭の後、お墓への納骨・・・このような流れでご法要をされる方も多いかと思いますが、このご法要の日が友引と重なってしまうと、法要は行っても納骨には行かないというケースがあります。特に神式の場合が多いようです。また、お墓への納骨祭はもとよりご法要自体を避けるというケースもあるようです。一度、お世話になっている宗教者の方にお聞きしてみましょう。
一部の火葬場では友引に火葬ができる例外のケースも
先程冒頭で、友引は火葬場が開いてないので・・・というお話しをさせて頂きましたが、厳密には高知県内の一部の火葬場では「友引でも火葬ができる火葬場」があります。先日も友引でしたが、火葬を希望されたご当家様がいらっしゃいました。
しかし、これはまだまだ稀少なケースと言えますし、その火葬場でも希望すれば必ず火葬がおこなえるという訳ではないようです。友引に火葬することに関しては、世間の皆様にほとんど浸透していない状態です。
最近は葬儀でも宗教的なことをせず、無宗教の方々も増えてきました。そういった方々は、そもそも仏式や神式の考え方をお持ちでないので、友引に火葬することに関しても抵抗がありません。
また、風習的にも全く気にしないようです。今後の予想ですが、このような火葬場が今後増えてくると、友引に火葬することが普通になってくる・・・のかもしれませんね。