今回は、葬儀の時の「お花」について考えてみたいと思います。
葬儀にご参列頂いた方々が注目するものとして、祭壇や遺影写真などがありますが、「お花」も注目されるものの一つです。綺麗なお花に囲まれた祭壇などを見ると、ご参列頂いた方々の記憶にも残ります。
一方で、葬儀の時の「お花」はどんな色や種類でも飾っていいのでしょうか?高知市の葬儀事情も一緒に考えてみたいと思います。
そもそもなぜ葬儀に「お花」がいるのか?
諸説ありますが、仏教のお話の中で仏陀が入滅した時にお花がまわりを囲んでいて極楽浄土にはたくさんの綺麗なお花があると言われており、その極楽浄土へ無事に辿り着けるようにお花をお供えしてあげるというお話しがあります。また、綺麗なお花もいつかは枯れてしまうように、命あるものは必ず終わりを迎えるということを教えてくれるという説もあります。
そして、葬儀の最後に「別れ花」といってお柩の中へお花を入れてあげる事が多いと思いますが、実はこちらの行為、何万年以上も前から行われていると言われています。ある外国の遺跡で人骨が発見された時、一緒に花粉も発見されたらしく、亡くなった方を埋葬する時に一緒にお花もお供えされたと推測されているようです。何万年も前から亡くなった方にお花をお供えするという行為自体、もう本能的なものだと言っても過言ではないのかもしれません。
どんな「お花」でもよいのか
葬儀に飾るお花は、どんな色や種類でも飾っていいのでしょうか。
例えば、仏式には真言宗や浄土真宗など様々な宗派がございますが、宗派によってお花の色や種類の制限があります。色や種類の制限が全くない宗派、花の色は白に限る宗派、基本白がベースで黄色などの淡い色も構わない宗派、お花を全く使わずに樒だけを使う宗派・・・など様々なケースがございます。また、一般的にバラなどの棘があるお花や香りのきつ過ぎるものはお供えにそぐわないと言われておりますが、最近はバラなども棘を除けるとお供えしても構わないことが増えてきました。また、宗派的にはダメなお花でも各お寺によっては構わないこともございます。余裕があればお世話になっているお寺やご住職などに聞いてみてはいかがでしょうか。
ご親族や会社関係などから頂く供花について
親族一同や孫一同と書かれた名札を立てて祭壇近くにお供えする供花や、故人の枕元(頭の付近)にお供えする枕花など様々な種類のお花がございますが、基本的には祭壇に飾るお花と同じように制限がある場合は注意してお飾りします。地域によっては、お花を一基、樒だけで一基の合計二基(一対)用意するような地域もありますが、高知ではお花のみを手配することが多いです。また、並べる順番に関しても片方を親族でまとめたり会社関係でまとめたり、到着順に並べたり・・・と色々な並べ方がございますが、高知では勤務先の関係から順番に並べる傾向が多いようです。こちらに関しても地域の方や葬儀社に聞いてみましょう。
お花は宗教に限らず、比較的どのようなご葬儀の時でも用意されることが多いです。仏式や神式、無宗教に限らずお供えとしてご遺族にお持ちしたい場合はお花をご用意した方が無難かと思われます。
ご葬儀の時や仏壇に飾る時、お墓参りの時など・・・いつでも綺麗なお花を飾ってあげたいものです。