家系図を知る:ご先祖様を辿ることが「もしも」の時に役立つ理由
今回は、普段あまり意識することのない「家系図」についてお伝えします。
家系図とは、文字通り家族のつながりを図にしたもので、ご自身を中心にご先祖様を遡り、親族関係を明らかにするためのものです。両親、祖父母、兄弟姉妹から、従兄弟、甥姪へと続く家族の関係性を整理するのに役立ちます。
実は、この家系図は、葬儀を執り行う際や、その後の相続手続きにおいて、非常に重要な役割を果たすことがあります。具体的にどのような場面で利用するのかを見ていきましょう。
相続人を確認し、手続きを円滑に進めるために
ご家族のどなたかが亡くなると、故人様の財産に関する「相続」が発生します。
この時、法律上の「相続人」が誰になるのかを確定させるために、家系図の作成が非常に有効です。親族関係を明確にすることで、複雑になりがちな相続の手続きをスムーズに進めることができます。
民法では、相続人の順位が定められています。
- ・まずは故人様の配偶者(常に相続人となります)。
- ・次に、子(子が既に亡くなっている場合は孫などの直系卑属)が第1順位。
- ・子や孫がいない場合は、両親や祖父母(直系尊属)が第2順位。
- ・さらに、上記全てがいない場合は、兄弟姉妹(兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は甥姪)が第3順位となります。
相続は、故人様の財産を引き継ぐための重要な手続きです。家系図を使って関係を明確にし、トラブルを未然に防ぎましょう。
故人様の情報を整理し、葬儀の準備に役立てる
普段の生活の中で、ご自身の祖父様のお名前は知っていても、曾祖父様(ひいおじい様)のお名前までは知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ご自身が生まれる前に亡くなっていて、お写真でしか見たことがない、というケースも少なくありません。
実は、葬儀を執り行う場面でも、こうした故人様の情報や親族関係で確認に時間がかかることは多々あります。
例えば、神道(しんとう)で葬儀を行う場合、故人様の略歴書(どのような人生を歩んでこられたかを記入する書類)を神社様にお渡しすることがあります。この略歴書には、故人様の出身地やご両親・兄弟姉妹のお名前、ご入籍日など、さまざまな情報を記入する必要があります。
ご記入いただく中で、「お父様のお姉様のお名前は何でしたか?」「〇〇さんに聞かないと分からない」といったお声を聞くこともございます。誰にも分からなくなる前に、ご家族が集まった際に確認し、整理しておくことをおすすめします。
家族葬の参列者を明確にするための基準に
新型コロナウイルスの流行を経て、故人様の近しい親族だけでお葬式を執り行う「家族葬」が一般的に選ばれるようになりました。
しかし、「誰に声をかけていいか分からない」「連絡をしたつもりで伝わっていなかった」といった、連絡漏れによる事態を防ぐためにも、あらかじめ家系図で親族関係を明確にしておくことが大切です。
例えば、「お葬式に参列していただきたい方」「遠方やご高齢のため、終わった後に報告だけすればよい方」といったように、親族を大まかなグループ分けをしておくと、「もしも」の時に迷うことが少なくなります。
ただし、こちらが気を遣って参列をご遠慮いただいたつもりでも、「お葬式に呼んでほしかったのに」と親族間でトラブルになるケースも残念ながらあるようです。ご心配な場合は、事前に電話やメール等で「家族葬で執り行う予定です」と連絡をしておくことをおすすめいたします。
普段、ご家族やご先祖様のことを話す機会は少ないかもしれませんが、年末年始の帰省やお盆など、ご親族が集まる機会をきっかけに、ご自身の家系図を振り返ってみてはいかがでしょうか。
お葬式の事前相談も承っております
お葬式の事前相談は、いつでも承っております。不安なこと、疑問に思っていることなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
オンラインでも対面でもご相談いただけますので、いざという時や葬儀の事前準備にぜひお役立てください。
ご相談はお電話もしくはドリーマー高知葬祭のホームページからご予約いただけます。