お葬儀に参列する際、受付で芳名録や芳名カードに住所と氏名を記帳し、ご香典をお渡しするのが一般的な流れです。
全国的に見られる光景ですが、高知県では以前(30年ほど前)、受付でその場をご香典の袋を開け、金額を確認する風習が多く見られました。
当時は地域のご近所の方々がお手伝いに入り、「○○様 〇〇円」といった形で帳簿に記帳していたのです。集まったお香典は専用の箱に納め、香典袋は針と糸で端を縫い合わせて1つの束にし、大切に管理されていました。
葬儀が終わると、受付の責任者の方がご遺族へ合計金額を報告し、お返し品とご香典の数が合っているかを確認した上で、帳簿を添えて引き継ぎを行って終了となります。かつてはこのような形が一般的であり、ご近所の皆様のお手伝いが欠かせないものでした。
時代の変化に伴うお手伝いの減少と風習の変化
しかし時代の移り変わりとともに、ご近所の方々も仕事で都合がつきにくくなったり、高齢化が進んだりといった変化が生じました。さらに、葬祭会館(ホール)での葬儀が主流になったことなども重なり、こうした受付の風習は徐々に姿を消していきました。
巡る時代とご遺族の負担を減らす知恵
ところが最近になり、少数ではありますが、四十九日のお返し(香典返し)を葬儀当日にそのままお渡しする「当日返し」を行うご家庭が増えてきました。当日にお返しをする場合、いただいたお香典の金額に対して半返し(いただいた額の半分程度をお返しすること)が相場となるため、その場でお香典の額面を確認する必要が生じます。
つまり、昔のように受付でお香典の金額を確認・記録し、その額に見合ったお返し品を当日にお渡しするという手順が、再び行われるようになっているのです。
ご遺族にとって、葬儀が終わった後の満中陰(四十九日の法要)の時期に、改めて一人ひとりへギフトを手配してお送りするのは、精神的にも体力的にも相応の負担がかかります。昔の方々はそうしたご遺族の負担を少しでも減らそうと考え、受付で金額を確認する仕組みを整えていたのかもしれません。
一見すると新しい試みに思えることも、実は時代が巡り、昔ながらの温かい知恵が形を変えて現代に活かされているだけなのかもしれません。
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