全国的にも珍しい「ご不幸広告」の新聞掲載ですが、こちらの広告を見るためだけに高知新聞を契約している方もいらっしゃるくらい、高知の皆さんには馴染みがあるものです。高知県内の働き盛りの方々は、この広告に目を通しておくことが常識・・・という方も中にはいらっしゃるようです。今回は、その「高知新聞のご不幸広告」について考えてみたいと思います。
訃報広告の掲載にかかる費用は?費用の基準は?
以前は朝刊か夕刊のいずれかに掲載されていましたが今年から夕刊が廃止になり、朝刊のみとなりました。こちらの広告は、横幅1cmで¥21,120(税込)と定められており、初めて聞かれる方はその金額にびっくりされる方もいらっしゃいます。新聞がお手元にございましたら、実際の新聞に掲載されている広告を定規で測ってみて下さい。8cmありましたら、¥21,120×8cmで¥168,960ということになります。
掲載する内容に種類はあるのか?
掲載内容としては大まかですが、通夜・葬儀の日程をご案内する通常の「不幸告知」、葬儀終了後に掲載する「ご会葬のお礼」、遺族親族のみで葬儀を行って後日亡くなったことをお知らせする「ご挨拶」、会社関係の方々が主に出される「関連広告」の4種類がございます。
▮ 不幸告知
「不幸告知」は、通夜・葬儀の日程をご案内するものです。葬儀の打合せ時に、新聞出すか出さないか?というお話が出ますが、こちらは「不幸告知」のことを指します。一般葬などのような幅広くご会葬を希望されるご遺族が手配されます。また逆に、故人の交友関係がまったく分からないご遺族が手配されるケースもあります。誰に連絡をすればいいのか分からないので、この広告を見てくれたら・・・という考えから掲載されるようです。それほど高知県内では認知されているものと言えるでしょう。
▮ ご会葬のお礼
「ご会葬のお礼」は、葬儀が終了した翌日によく掲載されるものです。最近は粗供養品に同封される会葬礼状があるので、お礼状があればわざわざ掲載しなくても・・・という方もいらっしゃいますが、掲載されるご遺族もまだまだいらっしゃいます。基本的には「不幸告知」を掲載する場合、「ご会葬のお礼」もセットで掲載するため、掲載費用は多めに必要となるでしょう。
▮ ご挨拶
「ご挨拶」は、通夜・葬儀を遺族親族のみで行い、後日葬儀が終わったことをお知らせする掲載です。最近はコロナ禍の影響で、葬儀は遺族親族のみで行うことが多く、「ご挨拶」の広告が多くなってきました。本当は「不幸告知」を出して通夜・葬儀に足を運んでいただきたいが、このような時期なのでお知らせだけはしておきたいというケースや、当初から葬儀はご親族のみで行って後日訪問を受けたいという方が手配されます。
▮ 関連広告
「関連広告」は、主に会社の役員など重役なポストの方がお亡くなりになった場合、会社が掲載するケースが多く見られます。喫茶店や美容室などを個人で経営されている方は、「不幸告知」と一緒に掲載されるケースもあります。
どういった掲載の仕方がいいのか?
「不幸告知」と「ご挨拶」の出し方のポイントを挙げてみます。
「不幸告知」が適している場合
・幅広くご会葬いただきたい
・故人の交友関係がまったく分からない
・葬儀後に会葬者の訪問対応ができない
「ご挨拶」が適している場合
・葬儀は遺族・親族のみで行いたい
・葬儀終了後の会葬者対応がきちんとできる(誰かが常に在宅していられる)
実際よくあるケースですが、「ご挨拶」の掲載後、自宅には故人の奥様ひとりしかいないために会葬者の数々のご訪問に対応ができなかったり、ずっと留守が続いて対応ができなかったりというケースがあります。こういった方々は、「ご挨拶」を出すよりも「不幸告知」を出して通夜や告別式にお越しいただく方がよいでしょう。親族の方も集まっているので、ご会葬いただいた方への対応やお礼がしやすくなります。
最近は番地が載らない?
最近、「不幸告知」を掲載した遺族の住所に番地が記載されていないケースがあります。以前はなかったのですが、最近は個人情報の関係で載せないケースも増えてきました。近年は会館でお葬儀を行う方がほとんどなので、自宅住所を載せなくてもご会葬いただけるのも変化した要因のひとつではないでしょうか。
最近はこういったケースや掲載する文章なども決められた文章(定型文)ではなく、自分で考えた文章を掲載できるようになりました。新聞社も以前より柔軟に対応してくれるようです。
掲載の仕方やポイント、どのように掲載すればいいかなどは、葬儀社のスタッフからアドバイスいただけると思いますので、気になることがあれば聞いてみましょう。高額の予算が必要な新聞掲載ですので、色々なケースを確認して段取りしましょう。