「終活」…という言葉をだいぶ耳にする方も増えてきたのではないかと思います。
大まかに言うと、人生の最期(終末期)をどうするか、どうして欲しいのかを考える活動のことを意味します。
ある週刊誌が就職活動の「就活」に当てて作った造語「終活」を使って、それについての記事を掲載し始めたのがきっかけで世の中に広く知れ渡るようになりました。
人生の最期(終末期)と言うことですので、葬儀やお墓、仏壇についてのことが想像されますが、今は広く医療や介護、看護、家の片づけや遺言、相続まで多岐に項目が分かれております。
さて、その「終活」ですが、今でこそ雑誌・TV・セミナーなどで広く耳にするようになりましたが、実は今に始まったことではなく、昔から皆さんがずっとやってきたことなのです。
昔は、家族が多く、二世帯、三世帯の家族がひとつ屋根の下に暮らすことが普通でした。
その生活の中で、おじいさんやおばあさんなどの上の世代から、自分の家の歴史や希望などの様々なことが伝えられてきました。
おじいさんやおばあさんは本当は県外の出身ですよ、病気の時はあそこのお医者さんを呼んできなさい、お葬儀の時のお寺さんはひと山超えたあのお寺、うちのお墓はそこにあるよ、家は長男が継ぎなさい…など、普段の何気ない生活の中で自然にこのように会話がされていました。
それが今はどうでしょうか。
今は家族内の人数も減り、親と子は別世帯で生活している、親子が最後に顔を合わせたのはいつか分からない、おばあさんは独り暮らし…などが普通になってきました。
普段から会話がなくなってきたせいで、家族間のコミュニケーションが少なくなり、お互いが一体何を考えているのかわからないような家族が増えてきました。
このため、今は昔ほど普段から家族間で話をしてない訳ですから問題を先送りにして、後々大変な思いをしている家族が非常に多いわけです。
久し振りに顔を合わせた時に子どもから遺言や相続の話がでると、親の方もいきなりなんだ?となる訳です。
元気なうちから自分の葬儀はどういう葬儀がいい?と前もっておじいさんに聞いておけば、少しでも希望に沿えることができます。
入院末期の余命1か月もないおじいさんにとても葬儀の希望など聞くことはできないでしょう。
「終活」とは・・・話すこと。
ですから、まずは、家族みんなで少しずつで構いませんので話をすることから始めてみませんか?